🌸 春の菓子

鶏卵形団子

鶏卵形団子(けいらん・ちまき形)

『古今名物御前菓子秘伝抄』享保三年(1718年) 第62番

挿絵は準備中です
🌸 春🌿 餅・団子たれ味噌

道明寺の餅米を粉にして湯でこね、小さく切って平らにし、中に白砂糖または黒砂糖を包んで長さ約4.5cmのちまきの実の形に作る。湯を沸かして煮て、上に浮いてきたら取り出す。汁はたれ味噌が合う。吸い口に胡椒・山椒など何でもよい。

材料唐干しの餅米(粉、適量)、白砂糖または黒砂糖(包む用)、たれ味噌(汁用)、胡椒または山椒(吸い口)
①生地を作る唐干しの餅米を粉にして湯でこねる。小さく切って平たくする。
②砂糖を包んで形を作る中に白砂糖でも黒砂糖でも包み、長さ一寸五分(約4.5cm)ほどにして、粽の実のかたちに作る。
③茹でる湯を立てて煮る。上に浮いてきたら引き上げる。
④汁で仕立てる汁はたれ味噌がよい。吸い口は胡椒でも山椒でも、何でもよい。
備考粽の実に見立てた形は端午の節句の65番「粽」66番「大理粽」67番「朝夷粽」と同系。

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けいらんたうほし餅米を粉にして湯にてこねちいさく切ひらめ中へ白さたうにても黒さたうにても包長一寸五分程にしてちまきのみのなりに作湯を立て煮申候上へ浮候時あけ申候汁はたれみそか能御座候すひくちこせうさんせう何にても能候

砂糖を包んだ団子を、たれ味噌の汁に浮かべて食べます。しかも吸い口に胡椒か山椒を添える。甘いものを塩気の汁に入れ、香辛料まで振る。現代の感覚では菓子と吸物のどちらとも言えません。江戸期の「菓子」が、いまよりずっと広い範囲を指していたことがよく分かる一品です。形を粽の実に見立てている点も、この本らしいところ。

案内人の柴犬ほえまる

案内人:ほえまる

砂糖を包んで茹でるちまき形の団子——「たれ味噌の汁で食べる甘いお菓子」という現代にはない組み合わせが面白いワン!「鶏卵(けいらん)」という名前はちまきの実が卵に似ているから。江戸の食の豊かさが感じられるワン!