佳品

引ずりとうふ

ひきずりどうふ

『豆腐百珍』天明二年(1782年) 佳品 第51品

引ずりとうふ
🎁 しかけ山葵味噌葛湯

ほどよく切って葛湯で煮て、網杓子ですくって器に盛る。

山葵味噌を少し固めにして、その器の蓋(の裏)にぬりつけて出す。もし知らない人は、蓋を取って豆腐ばかりだと思う。これも手取りの一興であろう。

さて、蓋を返し、豆腐を味噌に引きずって食べる。味噌の固さ・やわらかさの加減が大事である。山葵味噌の作り方は、第82品「茶とうふ」の下に見える。

材料豆腐、葛、山葵味噌
①葛湯で煮るほどよく切った豆腐を、葛湯で煮る。
②器に盛る網杓子ですくって、蓋のある器に盛る。
③蓋の裏に味噌をぬる少し固めの山葵味噌を、器の蓋の裏にぬりつける。
④引きずって食べる蓋を返し、豆腐を味噌に引きずって食べる。
ポイント味噌は少し固めにして蓋にぬる。固すぎず、やわらかすぎない加減が大事とある。山葵味噌の作り方は第82品「茶とうふ」の本文にある(味噌に胡麻と胡桃をすり合わせておき、使うときにすり山葵を入れる)。
引ずりとうふの作り方。①葛湯で煮る ②器に盛る ③蓋の裏に味噌をぬる ④引きずって食べる

図の番号は、上の表の①〜④に対応する。

豆腐百珍の原本。引ずりとうふの項
原本(コマ022)。
右の「五十一」から読み、左ページへ続く
五十一 引ずりとうふ
よきほどにきり葛湯にて烹てあみ杓子にてすくひ器へよそひ○山葵みそを少しかたくして其うつはの蓋にぬりつけて出すなりもししらぬ人はふたをとりて豆腐ばかりなりと思ふなり手とりの一興なるべしさてふたをかへしとうふをみそに引ずり食する也味曽の稠稀の和調だいじなり○山葵みそは[八十二]茶とうふの下に見へたり

原本(jpg)で読んだ。字体は通行の字体に改め、振り仮名は省いた(「器」はうつは、「蓋」はふた、「一興」はいつきやう、「稠稀」はこきうすき、「和調」はかげん)。[八十二]は原本で枠に囲まれた品番号。見開きの右ページの終わりから、左ページへ続く。

案内人の柴犬ほえまる

案内人:ほえまる

蓋を開けたら豆腐だけ…と思ったら、味噌は蓋の裏!お客さんを驚かせる、楽しいしかけだワン。