佳品

一種の黄檗とうふ

いっしゅのおうばくどうふ

『豆腐百珍』天明二年(1782年) 佳品 第40品

一種の黄檗とうふ
🔶 油にくぐらせる薄醤油黄檗

薄醤油と酒塩を合わせて、よく沸かしておく。別の鍋に油をたっぷりと沸かし、豆腐を平たい角切りにして金の籠に入れ、油につけて二、三べん振ったら、すぐに煮醤油の鍋へ入れて煮加減する。

一説に、水をよく絞って第10品「雷とうふ」のようにするのを、また黄檗とうふという。

材料豆腐、薄醤油、酒塩、油
①煮汁を沸かす薄醤油と酒塩を合わせて、よく沸かしておく。
②油にくぐらせる平たい角切りの豆腐を金の籠に入れ、熱い油に二、三べんくぐらせる。
③すぐに煮るすぐに煮汁の鍋へ移し、煮加減する。
ポイント油で揚げきるのではなく、くぐらせてすぐ煮汁に入れるのが要点とみられる。別の説の作り方は、第10品「雷とうふ」のページにある。
一種の黄檗とうふの作り方。①煮汁を沸かす ②油にくぐらせる ③すぐに煮る

図の番号は、上の表の①〜③に対応する。

「黄檗」は、宇治の萬福寺を本山とする黄檗宗のこと。隠元が伝えた中国風の精進料理(普茶料理)で知られ、油を使う料理が多いことにちなむ名とみられる。題の「一種の」は「別の一つの」という意味で、ほかにも黄檗とうふと呼ぶ作り方があったことがうかがえる。

豆腐百珍の原本。一種の黄檗とうふの項
原本(コマ020)。
右の「四十」から読む
四十 一種の黄檗とうふ
稀醤油と酒しほ合せよく沸せ別の鍋に油たつぷりと沸せ豆腐を平骰に切て金の籠に入れ油へつけて二三べんふりはし直に烹醤油の鍋へ入れ烹調る也○一説に水をよくしぼりて[十]雷とうふの如くするを亦黄檗とうふといふ

原本(jpg)で読んだ。字体は通行の字体に改め、振り仮名は省いた(「黄檗」はわうばく、「稀醤油」はうすしやうゆ、「平骰」はひらさい、「籠」はかご、「直に」はすぐに、「烹調る」はにかげんする)。[十]は原本で枠に囲まれた品番号。

案内人の柴犬ほえまる

案内人:ほえまる

油にさっとくぐらせて、すぐ煮汁へ。香ばしさと煮物のやさしさ、両方いいとこ取りだワン。