通品

通品十品

つうひん じっぴん

『豆腐百珍』天明二年(1782年) 通品 第27品〜第36品

通品の豆腐料理。焼き豆腐、揚げ豆腐、おぼろ豆腐、絹ごし、田楽、竹輪の形の豆腐、青豆の豆腐、やっこ、赤味噌の敷き味噌豆腐
📜 品名のみふだんの豆腐10品

『豆腐百珍』は百品を、尋常品・通品・佳品・奇品・妙品・絶品の六つの等級に分けている。そのうち通品について、巻頭の凡例は次のように書く。

豆腐百珍の原本。凡例の通品の条
原本(コマ006)
凡例の一条
一 通品は烹調さして訣なし世の人皆よくしる所なれば調製を記するに〓〓〓ず其名而已を出すものなり

現代語訳:通品は、料理としてさほどの秘訣もなく、世の人が皆よく知っているものなので、作り方は記さず、その名前だけを出すものである。

「記するに〓〓〓ず」の三字は読めない(〓)。前後から「記すまでもない」の意味とみて訳した。

第27品炙豆腐(やきとうふ)——焼き豆腐
第28品油煠とうふ——油で揚げた豆腐
第29品軟とうふ(おぼろとうふ)——おぼろ豆腐
第30品絹ごし豆腐——絹ごし豆腐
第31品油煠田楽——揚げた豆腐の田楽
第32品玳瑁環(ちくわとうふ)——振り仮名から、竹輪の形の豆腐とみられる
第33品青菽乳(あをまめとうふ)——振り仮名から、青豆で作った豆腐とみられる
第34品やつこ豆腐——奴豆腐
第35品葛田楽(くずでんがく)——どんな田楽かは書かれていない。脇に小さく「祇園とうふ」とある
第36品赤みその志き味噌とうふ——第18品「しき味噌とうふ」を赤味噌でしたものとみられる

「——」の後は、品名を今の言い方に直したもの。原本に説明は無い。

豆腐百珍の原本。通品の十品の品名
原本(右がコマ018、左がコマ019)。
右の「通品」から読み、廿七〜廿九の次に、丁をめくって三十〜卅六
通品
廿七 炙豆腐
廿八 油煠とうふ
廿九 軟とうふ
三十 絹ごし豆腐
卅一 油煠田楽
卅二 玳瑁環
卅三 青菽乳
卅四 やつこ豆腐
卅五 葛田楽(脇に小字「祇園とうふ」)
卅六 赤みその志き味噌とうふ

原本(jpg)で読んだ。「通品」と廿七〜廿九はコマ018の左ページの終わり、三十〜卅六は丁をめくったコマ019の右ページの初めにある。振り仮名は品名の後の( )に示した。

案内人の柴犬ほえまる

案内人:ほえまる

「みんな知ってるから作り方は書かない」と言い切っているワン。焼き豆腐も絹ごしもやっこも、二百四十年あまり前からおなじみの顔ぶれだったんだワン。