⚪ 雪白揚げ美濃紙葛あん
現代語訳
豆腐を好みの大きさに切り、美濃紙で沙金嚢(巾着)の形に包む(原本に包み方の小さな図がある)。
板に乾いた灰を四、五分(1.2〜1.5センチほど)の厚さに敷き、その上へ乾いた布を敷き、また紙を一枚敷いて、その上に包んだ豆腐を並べ、しばらく置いて水気を取る。水を絞りすぎると固まってよくない。
さて包んだまま香油(胡麻油)で揚げ、紙をはがし、薄醤油と葛で煮て、すり山葵を置く。また雪白揚げともいう。
現代語訳に基づくレシピ
| 材料 | 豆腐、美濃紙、乾いた灰、布、胡麻油、薄醤油、葛、山葵 |
|---|---|
| ①紙で巾着に包む | 好みの大きさに切った豆腐を、美濃紙で巾着の形に包む。 |
| ②灰の上で水気を取る | 乾いた灰・布・紙を重ねた板に並べ、しばらく置いて水気を取る。 |
| ③包んだまま揚げる | 包んだまま胡麻油で揚げ、紙をはがす。 |
| ④薄醤油と葛で煮る | 薄醤油と葛で煮て、すり山葵を置く。 |
| ポイント | 紙に包んだまま揚げるので、表面が焦げずに白く仕上がる。別名の「雪白揚げ」はそこからきているとみられる。灰の上で水気を取るのは、絞りすぎずにほどよく水を抜くための工夫とみられる。 |
図の番号は、上の表の①〜④に対応する。
原文(翻刻)
右の「九十三」から読む。本文中に巾着包みの図がある
九十三 包油煠
大小このみに随ひ切り美濃紙にて沙金嚢包につゝみ(図)○板に乾たる灰を厚さ四五分に布其上へ乾たる布をしき又紙を一遍しき其上へ包みたる豆腐をならべしばらくをき水気をさるなり水をしぼりすごせばかたまりてよろしからずさて包みながら香油にて煠げ紙をはらひ稀醤油くず葛にて烹てすり山葵をく○又雪白煠ともいふ
大小このみに随ひ切り美濃紙にて沙金嚢包につゝみ(図)○板に乾たる灰を厚さ四五分に布其上へ乾たる布をしき又紙を一遍しき其上へ包みたる豆腐をならべしばらくをき水気をさるなり水をしぼりすごせばかたまりてよろしからずさて包みながら香油にて煠げ紙をはらひ稀醤油くず葛にて烹てすり山葵をく○又雪白煠ともいふ
原本(jpg)で読んだ。字体は通行の字体に改め、振り仮名は省いた(「包油煠」はつつみあげ、「沙金嚢」はしやきんぶくろ、「乾たる」はかはきたる、「香油」はごまのあぶら、「稀醤油」はうすしやうゆ、「雪白煠」はゆきしろあげ)。(図)は本文中にある巾着包みの小さな絵。「くず」の部分は字形が読みにくく、推定を含む。
ほえまるより
案内人:ほえまる
紙の巾着に包んで揚げるから、真っ白なまま。灰で水気を取る工夫まで、江戸の知恵がつまってるワン。