🥢 五目薬味たっぷり席で混ぜる
現代語訳
豆腐を丸ごと、十文字に切れ目を入れる。切り離さないように、半ばまでにする。葛湯で丸ごと煮るのがよい。
鉢へ移し、生の煮返し醤油を生け盛りのように底へ溜めておき、花鰹をその上へ一面に置く。広島海苔、唐辛子のざくざく切り、葱白のざくざく切り、おろし大根をまたその上へのせて盛り、席へ持ち出して、席上で混ぜて小皿に盛り分ける。
また夏は、豆腐も醤油も生のままで、右のように調えてもよい。つまりは、やっこ豆腐の変わり型である。
現代語訳に基づくレシピ
| 材料 | 豆腐(一丁)、葛、煮返し醤油、花鰹、広島海苔、唐辛子、葱、大根 |
|---|---|
| ①十文字に切れ目 | 丸ごとの豆腐に、切り離さないよう半ばまで十文字の切れ目を入れる。 |
| ②葛湯で煮る | 葛湯で丸ごと煮る。 |
| ③醤油と薬味を盛る | 煮返し醤油を溜めた鉢に移し、花鰹・海苔・唐辛子・葱・大根おろしをのせる。 |
| ④席上で混ぜる | 席へ持ち出し、その場で混ぜて小皿に盛り分ける。 |
| ポイント | 「骨董」は「ごもく(五目)」と読ませ、いろいろな薬味を混ぜる意とみられる。夏は加熱せず、生の豆腐と生醤油で作ってもよく、要するに冷や奴の変わり型だと本文が言っている。 |
図の番号は、上の表の①〜④に対応する。
原文(翻刻)
右の「八十八」から読む
八十八 骨董乳
全ながら切目を十文字に入れきりはなさぬやうに半までにすべし葛湯にて全烹よし盂へうつし○生の煮沸し醤油をいけもりの如く底へ溜めをき花がつほを其上へ一面にをき○広島紫菜紅椒のざく〳〵葱白のざく〳〵擦し大根を又右の上へのせもりもち出て席上にて混にし小皿子へもり出す也○又夏月に豆腐醤油とも生にても右の如く調ふひつきやうやつこ豆腐の変調なり
全ながら切目を十文字に入れきりはなさぬやうに半までにすべし葛湯にて全烹よし盂へうつし○生の煮沸し醤油をいけもりの如く底へ溜めをき花がつほを其上へ一面にをき○広島紫菜紅椒のざく〳〵葱白のざく〳〵擦し大根を又右の上へのせもりもち出て席上にて混にし小皿子へもり出す也○又夏月に豆腐醤油とも生にても右の如く調ふひつきやうやつこ豆腐の変調なり
原本(jpg)で読んだ。字体は通行の字体に改め、振り仮名は省いた(「骨董乳」はごもくどうふ、「全」はまる、「盂」ははち、「広島紫菜」はひろしまのり、「紅椒」はたうがらし、「葱白」はひともじのしろね、「小皿子」はこざら、「変調」はかはりてう)。
ほえまるより
案内人:ほえまる
十文字の豆腐に薬味をどっさりのせて、お客さんの前で混ぜる。にぎやかで楽しい一皿だワン。