妙品

阿漕でんがく・再炙田楽

あこぎでんがく・ふたたびでんがく

『豆腐百珍』天明二年(1782年) 妙品 第79品・第11品(尋常品)

阿漕でんがく・再炙田楽
🍢 田楽ごま油すり柚同居2品

豆腐をほどよく切ってさっと炙り、すぐに稀醤(うすい醤油)で煮しめ、汁気を切って、香油(ごま油)で揚げる。また味噌をつけて、田楽にして焼く。すった柚子(ゆず)をかける。

材料豆腐、薄醤油、ごま油、味噌、柚子
①切って炙る豆腐をほどよく切り、さっと炙る。
②薄醤油で煮しめるすぐに薄い醤油で煮しめ、汁気を切る。
③ごま油で揚げるごま油で揚げる。
④味噌をつけて焼く味噌をつけて田楽にして焼き、すり柚をかける。
ポイント炙る・煮る・揚げる・焼くと四つの手間をかける。味噌の種類は書かれていない。名前の「阿漕」の由来も書かれていない。
阿漕でんがく・再炙田楽の作り方。①切って炙る ②薄醤油で煮しめる ③ごま油で揚げる ④味噌をつけて焼く

図の番号は、上の表の①〜④に対応する。

再炙田楽

油を使わず、醤油をつけて焼いて少し乾かし、もう一度味噌をつけて焼く。焼き加減が大事で、二度の焼きとも焼きすぎてはいけない。これを再炙田楽(ふたたびでんがく)という。

差分揚げずに、醤油のつけ焼き→少し乾かす→味噌をつけてもう一度焼く。
こつ「炙調だいじ也」——焼き加減が大事で、二度とも焼きすぎない。
本文の位置第11品(尋常品)の見出しには「七十九 阿漕でんがくの下に出たり」とあり、作り方は第79品の本文の中(▲印の段)にある。

名前の由来は原文に書かれていない。「阿漕」は伊勢(三重県)の阿漕浦の地名で知られるが、この田楽との関係は不明である。

豆腐百珍の原本。阿漕でんがく・再炙田楽の項
原本(右がコマ029、左がコマ030)。
右の「七十九」から読み、左へ続く。▲が第11品
七十九 阿漕でんがく
豆腐をよきほどにきりさつと炙すぐに稀醤にて烹染汁気をさり香油にて煠げ復味曽をつけて田楽にして炙なりすり柚かける
▲油を用ひず醤油のつけ炙にして少し乾し再び味噌をつけて炙也炙調だいじ也両炙ともやきすごすべからず是を再炙田楽といふ

原本(jpg)で読んだ。字体は通行の字体に改め、振り仮名は省いた(「稀醤」はうすしやうゆ、「烹染」はにしめ、「香油」はごまのあぶら、「炙調」はやきかげん)。コマ029の左ページの終わりから、丁をめくったコマ030の右ページの初めへ続く。

案内人の柴犬ほえまる

案内人:ほえまる

炙って、煮て、揚げて、焼く。手間をかけた田楽だワン。二度焼きの再炙田楽は「焼きすぎ注意」と念を押していて、作り手のこだわりを感じるワン。