奇品

冬至夜とうふ

とうじやどうふ

『豆腐百珍』天明二年(1782年) 奇品 第72品

冬至夜とうふ
❄️ 冬至八角大徳寺

一丁の四方を切り落として角を正しくし、さらに角を取って八角にする。小口から五、六分(1.5〜1.8センチほど)に切り、酒塩と醤油で味を加減して煮て、汁を切る。

胡麻と白豆腐をよくすり合わせたものをかける。もちろん、右の八角に作るときの切りくずをすって使う。

紫野の大徳寺の冬至夜とうふは、丸焼き(焼き豆腐)の小口切りを味噌でよく煮て、右の品(胡麻豆腐)をかける。冬至の夕べには、大徳寺の一山の各院でことごとくこの豆腐を煮る、季節の行事の料理であるという。

材料豆腐、酒塩、醤油、胡麻、(切りくずの豆腐)
①八角に整える豆腐の四方を切り落として角を正し、さらに角を取って八角にする。
②小口切りにする小口から五、六分の厚さに切る。
③酒塩と醤油で煮る酒塩と醤油で味を加減して煮て、汁を切る。
④胡麻豆腐をかける胡麻と切りくずの豆腐をすり合わせたものをかける。
ポイント切りくずを捨てずに、かけだれに使うのが要点。「節物」は季節の行事に合わせた料理のこと。冒頭の「羅紋とをり」の部分は、字形・意味ともにはっきりしない。
冬至夜とうふの作り方。①八角に整える ②小口切りにする ③酒塩と醤油で煮る ④胡麻豆腐をかける

図の番号は、上の表の①〜④に対応する。

原文は、京都紫野の大徳寺では、冬至の夕べに一山の各院でことごとくこの豆腐を煮ると伝える。大徳寺の作り方は、焼き豆腐の小口切りを味噌でよく煮て、胡麻豆腐のたれをかけるものである。

豆腐百珍の原本。冬至夜とうふの項
原本(コマ027)。
右の「七十二」から読み、左ページへ続く
七十二 冬至夜とうふ
壱挺は羅紋とをり四方をきりおとし角を正しくし復角をとりて八角にし○こぐちぎり五六分にきり酒しほ豆油に勺薬し烹て汁をしぼり油麻白豆腐よくすり合かける也勿論右の八角につくるときの屑をすりて用るなり○紫野大徳寺の冬至夜とうふは全やきの小口切を味曽にてよく烹て右の品をかける也冬至の夕大徳寺一山各院こと〴〵く此豆腐を烹る節物なるよし

原本(jpg)で読んだ。字体は通行の字体に改め、振り仮名は省いた(「冬至夜」はとうじや、「豆油」はしやうゆ、「勺薬」はあんばい、「油麻」はごま、「屑」はくづ、「紫野」はむらさきの、「節物」はせちもの)。冒頭の「羅紋とをり」は字形が読みにくく、推定を含む。見開きの右ページから、左ページへ続く。

案内人の柴犬ほえまる

案内人:ほえまる

冬至の夜に、お寺じゅうで同じ豆腐を煮るなんて、すてきな行事だワン。切りくずまで使うのも、お寺らしい心がけだワン。