奇品

賽蜆

しじみもどき

『豆腐百珍』天明二年(1782年) 奇品 第57品

賽蜆
🐚 もどき煮つめる青山椒

豆腐を丸のまま、水を加えずに強すぎず弱すぎない火で煮る。出てくる水を金杓子ですくい取り、また水が出ればすくい取り、何度もそうして煮る。

固まって、ぼろぼろと蜆の身(むき身)のようになったものを油でさっと揚げ、蜆の味つけと同じように薄醤油で煮て、青山椒を置く。

材料豆腐、油、薄醤油、青山椒
①水なしで煮る豆腐を丸のまま、水を加えずに中火で煮る。
②出る水をすくう出てくる水を、金杓子で何度もすくい取る。
③さっと揚げるぼろぼろと蜆の身のようになったら、油でさっと揚げる。
④薄醤油で煮る蜆と同じように薄醤油で煮て、青山椒を置く。
ポイント「賽」はここでは「似せる」の意で、蜆の身に似せた「もどき」料理とみられる。ここから奇品の部に入る。
賽蜆の作り方。①水なしで煮る ②出る水をすくう ③さっと揚げる ④薄醤油で煮る

図の番号は、上の表の①〜④に対応する。

豆腐百珍の原本。賽蜆の項
原本(コマ024)。
右の「五十七」から読む
五十七 賽蜆
豆腐を全ながら水気なしに文武火にて烹る水いづるを金匕にてすくひさり又みづ出ればすくひ幾次もして烹かたまりぼろ〳〵とみしゞみの如くになるを油にてさつと煠げみしゞみの調味の如く稀醤油にて烹て青山椒をおくべし

原本(jpg)で読んだ。字体は通行の字体に改め、振り仮名は省いた(「全ながら」はまるながら、「文武火」はつよからずよわからぬひ、「金匕」はかなじやくし、「幾次」はいくたび、「稀醤油」はうすしやうゆ)。

案内人の柴犬ほえまる

案内人:ほえまる

豆腐をじっくり煮つめて、しじみに変身!江戸の人の、見立ての遊び心はすごいワン。