尋常品

松重ねとうふ

まつがさねどうふ

『豆腐百珍』天明二年(1782年) 尋常品 第22品

松重ねとうふ
🌿 水前寺海苔卵白蒸す

水前寺海苔(紫菜)を敷き、すり豆腐に鶏卵の白身をつなぎに入れて、海苔の厚さの一倍にのばして敷き、蒸して味をつける。切り方は好み次第。

材料豆腐、水前寺海苔、鶏卵(白身)
①海苔を敷く水前寺海苔を敷く。
②卵白でつなぐすり豆腐に卵白を入れてつなぐ。
③のばして重ねる海苔の上に、海苔の厚さの一倍にのばして敷く。
④蒸して切る蒸して味をつけ、好みの形に切る。
ポイント「一倍」は、当時は今の「二倍」の意味で使われることが多く、海苔の倍ほどの厚さとみられる。原文には海苔と豆腐を一組重ねるとだけあり、何段にも重ねるとは書かれていない。味のつけ方も書かれていない。
松重ねとうふの作り方。①海苔を敷く ②卵白でつなぐ ③のばして重ねる ④蒸して切る

図の番号は、上の表の①〜④に対応する。

原文の「水前寺紫菜」は「すいぜんじのり」と読む。肥後(熊本)の水前寺あたりの清流でとれる川の藻を、薄い板状に干したもの。海の海苔とは別のものである。

豆腐百珍の原本。松重ねとうふの項
原本(右がコマ017、左がコマ018)。
右の「廿二」から読み、左へ続く
廿二 松重ねとうふ
水前寺紫菜をしきすり豆腐を鶏卵白つなぎに入れ紫菜のあつさ一倍にのべしき蒸てあぢをつける也切かた好みしだひ

原本(jpg)で読んだ。字体は通行の字体に改め、振り仮名は省いた(「水前寺紫菜」はすいぜんじのり、「鶏卵白」はたまごのしろみ、「一倍」はいちばい)。コマ017の左ページの終わりから、丁をめくったコマ018の右ページの初めへ続く。

案内人の柴犬ほえまる

案内人:ほえまる

緑の海苔と白い豆腐の二段重ね。切り口のしま模様が、名前のとおり上品だワン。