🔶 揚げるがんもどき白酢
現代語訳
豆腐の水を絞ってよくすり、葛の粉をつなぎに入れる。具には皮牛蒡の針切り・銀杏・木耳(きくらげ)・麻の実を入れ、また小さなさいの目のものとしては、焼き栗か慈姑(くわい)のどちらか一品を入れるとよい。
具を油で炒めつけ(麻の実は後で入れる)、豆腐で包んで、大きさは好みに合わせ、また油で揚げる。小麦粉の衣をつけるのもたいへんよい。
煎り酒におろし山葵、あるいは白酢に山葵の針切りをのせるか、または田楽にして青味噌に罌粟(けし)の実をふる。ヒレウヅは、一名を豆腐巻ともいう。
白酢の作り方:罌粟の実を煎ってよくすり、豆腐を少しすり入れて、酢を入れる。甘いのが好みなら太白(上白の砂糖)を入れる。豆腐の代わりに葛粉を入れてもよい。
青味噌の作り方:味噌をよくすり、青粉(青菜の粉)をすり混ぜる。
現代語訳に基づくレシピ
| 材料 | 豆腐、葛の粉、皮牛蒡、銀杏、木耳、麻の実、焼き栗または慈姑、油、(小麦粉) |
|---|---|
| ①すって葛でつなぐ | 水を絞った豆腐をよくすり、葛の粉を入れてつなぐ。 |
| ②具を炒める | 牛蒡・銀杏・木耳などを油で炒める。麻の実は後で入れる。 |
| ③豆腐で包む | 炒めた具を豆腐で包み、好みの大きさにする。 |
| ④油で揚げる | 油で揚げる。小麦粉の衣をつけてもよい。 |
| ポイント | 食べ方は三通り:①煎り酒におろし山葵 ②白酢に山葵の針切り ③田楽にして青味噌に罌粟の実。白酢と青味噌の作り方まで添えてある。 |
図の番号は、上の表の①〜④に対応する。
ヒリヤウヅ(飛龍頭)
原文は片仮名で「ヒリヤウヅ」「ヒレウヅ」と書き、別名を「豆腐巻」とする。今の関西で「ひろうす」「ひりょうず」と呼ぶがんもどきと同じ系統の名前で、ポルトガル語に由来するという説があるが、原文には書かれていない。
原文(翻刻)
右の「十九」から読み、左へ続く
十九 ヒリヤウヅ
豆腐水をしぼりよくすり葛の粉つなぎに入れ加料に皮牛蒡の針銀杏木耳麻子又小骰ものにはやき栗子か慈姑か一品入るべし○加料を油にて炒つけ麻子は後に入れとうふに包み大小宜きに随ひ又油にて煠也又麪粉ころもにかくる尤よし○ゐり酒におろし山葵或は白醋に山葵の針をくか又は田楽にして青味曽に罌粟をふる○ヒレウヅ一名を豆腐巻ともいふ
▲白醋は罌粟をゐりてよくすり豆腐を少しすり入れ醋を入る也甘きを好むときは太白の沙糖を入るべし又豆腐のかわりに葛粉を入るゝもよし
▲青みそはみそをよくすり青粉をすり混る也
豆腐水をしぼりよくすり葛の粉つなぎに入れ加料に皮牛蒡の針銀杏木耳麻子又小骰ものにはやき栗子か慈姑か一品入るべし○加料を油にて炒つけ麻子は後に入れとうふに包み大小宜きに随ひ又油にて煠也又麪粉ころもにかくる尤よし○ゐり酒におろし山葵或は白醋に山葵の針をくか又は田楽にして青味曽に罌粟をふる○ヒレウヅ一名を豆腐巻ともいふ
▲白醋は罌粟をゐりてよくすり豆腐を少しすり入れ醋を入る也甘きを好むときは太白の沙糖を入るべし又豆腐のかわりに葛粉を入るゝもよし
▲青みそはみそをよくすり青粉をすり混る也
原本(jpg)で読んだ。字体は通行の字体に改め、振り仮名は省いた(「加料」はかやく、「麻子」はをのみ、「慈姑」はくわゐ、「麪粉」はうどんのこ、「罌粟」はけし)。コマ016の左ページの終わりから、丁をめくったコマ017の右ページへ続く。
ほえまるより
案内人:ほえまる
具を包んで揚げる、今のがんもどきの仲間だワン。食べ方が三通りもあって、白酢や青味噌の作り方まで教えてくれる親切さだワン。