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日本山海名産図会 巻二 (3)

砥礪(とあらと):命がけで掘り出す研ぎの石

豊島石・御影石・龍山石と並び、図会が「石品」として扱うのが砥礪、すなわち研ぎ石です。刃物を磨く砥石もまた、金山さながらに坑道を穿って掘り出されました。石そのものの生成論は「豊島石」でご紹介しています。

砥と礪、そして諸国の名産地

きめの精なるものを「砥」、粗いものを「礪」といいます。諺に「砥は王城五里を離れば、帝都に随いて産する」とも言われるほど、産地は各地にありました。かつて奈良の春日山の奥からは刀剣を磨く白色の砥が出ましたが、今は掘られておらず跡が残るのみです。今日、上品とされるのは山城の岩籠・鳴滝・高尾に出る「内曇(うちぐもり)」、または「浅黄」とも呼ばれるもので、丹波の白谷でも同様のものが産します。

戸沢砥・名倉砥
上州の戸沢砥は水を使わずに研げる上品。三河の名倉砥は淡白色に斑があります。
青砥
平尾・杣田・南村門前・中村・井の口・黒瀬・船などが産地です。なかでも南村門前は京より七里ほど東北にあります。丹波の猪倉・佐伯・芦野山・扇谷・長谷・大渕・岩谷・宮川、肥前の天草なども名を連ねます。
中砥・その他
青砥・中砥ともに、山口に坑場を穿って深く掘り入り、サザエの灯りを頼りに石脈を追う点は金山の採掘に等しいとされます。対馬の虫喰砥は鏡磨きや塗物の艶出しに、伊予の白砥は銅の鑞金の鎔型に用いられます。

命がけの坑道作業

砥山石の図

砥石の採掘は、金山と同様に山深く坑道を穿つ過酷なものです。石工はサザエの殻で作った灯火を手に、石の脈を追いかけます。採掘が終わると支柱を外して山を崩すため、常に落盤の危険と隣り合わせの、身の毛もよだつような現場です。

道具に合わせた砥石選び

「硬い物は柔らかい石で、柔らかい物は硬い石で研ぐ」というのが基本ですが、道具と石には相性があり、金質・石質が相和して初めて熟練の技となる――図会はそう記して、一概には言えない奥深さを伝えています。

研ぎの道具を現代に

鳴滝・京東山など、砥礪ゆかりの砥石をご紹介します。

純鳴瀧本山 仕上砥石 台付き【銀印】
純鳴瀧本山 仕上砥石 台付き【銀印】
京東山 HSS #6000 超仕上げ砥石
京東山 HSS #6000 超仕上げ砥石
阿佐ヶ谷しんかいの天然砥石
阿佐ヶ谷しんかいの天然砥石
ほんまもんの砥石セット
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ほえまる
ほえまるの「ほえ〜!」コメント

「真っ暗な穴の中でサザエのランプを頼りに石を追いかけるなんて、命がけだワン!刃物によって研ぐ石を使い分ける職人さんの目利きにも、ほえ〜!だワン!」