底本では「赤鱏并海参(あかえいならびになまこ)」として一項目に括られる、対照的な二つの漁法。「赤鱏(あかぎす)」とも書く赤エイは舟腹を叩いて浮かせ銛で突く豪快な漁、海鼠(なまこ)は鯨油で海底を透かして掻い玉で掬う繊細な漁。ともに一続きの記述として原典に記されている。
「赤鱚(あかぎす)」とも書く赤エイを取るには、漁人が舟に乗って舟腹を叩くとエイが多く浮き上がってくる。これを銛(もり)で突いて取る。エイの尾で人を刺されると即時に死ぬとも言われている。これに棒綱(ぼうづな)をつけてよく防ぐと良い。
海鼠(なまこ)は正字では「鹿子(しかこ)」とも書く。漢人はこれを取るには「くじらの油(鯨油)」を猪口(ちょく)に入れて、こよりにつけて海へ入れると、海水が底まで見えるほど透明になる。その時、長い「掻い玉(かいだま)」で掬い取る。掻い玉とは桐の木に綱を付けたものである。
「舟の腹を叩くとエイが浮いてくるのと、鯨の油で海底まで透けて見えるようになるのと、全然違う漁法が一つの項目にまとめられてるのが面白いワン!どっちも江戸時代の知恵と工夫が詰まってるね。」