松のヤニを燃やして集める煤——書画に欠かせない墨の原料「松煙(しょうえん)」の採取法を記録する。
「松煙(しょうえん)」は「灰墨(はいずみ)」とも言う。これを取るには、四方を油紙で囲い、その中に棚を設け、棚の上を土で塗って、棚の下に火をつけて燃やし、その火のかかりの煙が上の方に溜まったものを掃いて取る。これを松煙という。なお「油煙(ゆえん)」は油火のかかりの煙であり、これも棚を設けて多く油火を灯して、その上に溜まったものである。
また太平墨などの下品(粗悪品)の松煙は、焼き竈(かまど)のように作り、松の雑木を焚いてその上に溜まる煤を掃き取るものである。
「油紙で囲って棚を作り、煙を掃いて集めるなんて、地道で根気のいる作業だワン!これが最高級の墨の原料になるなんて、職人技だワン!」