🍬 南蛮菓子焼き菓子ポルトガル伝来
現代語訳
卵50個を溶きほぐし、白砂糖600匁(約2.25kg)と小麦粉500匁(約1.875kg)を加えてよく練り合わせる。銅の平鍋に紙を敷いて流し入れ、大きな鍋に入れて蓋をして上下から火をかけ、焦げる程度に焼く。色々な形に切る。下火を上火より強くする。
現代語訳に基づくレシピ
| 材料 | 卵(50個)、白砂糖(600匁・約2.25kg)、小麦粉(500匁・約1.875kg) |
|---|---|
| ①材料を練り合わせる | 卵50個を溶きほぐし、白砂糖約2.25kgと小麦粉約1.875kgを加えてよく練り合わせる。現代のカステラは卵・砂糖・小麦粉に水飴を加えるが、秘伝抄のレシピには水飴がない。卵・砂糖・粉だけの潔い配合。 |
| ②鍋に流し入れる | 銅の平鍋に紙を敷いて生地を流し入れる。紙を敷くのは現代のカステラ製造と同じ。銅鍋は熱伝導が均一で、焼きムラを防ぐ。 |
| ③上下から火をかけて焼く | 大きな鍋に入れて蓋をし、上下から火をかけて焦げる程度に焼く。オーブンのない時代、鍋の上下から炭火で挟み込んで焼く「天火焼き」の技法。 |
| ④火加減の極意 | 「下火を上火より強くする」——底をしっかり焼いて、上面は焦がさない。この火加減の指示は、現代のカステラ製造でも基本中の基本とされている。 |
| ⑤切り分ける | 焼き上がったら色々な形に切り分ける。現代のような四角い切り方は後の時代に定着したもの。 |
卵50個のスケール感
現代の一般的なカステラのレシピは卵5〜6個。秘伝抄のレシピはその約10倍。これは家庭向けではなく、菓子屋の業務用レシピであることを示しています。
配合を現代の単位に換算すると——
| 卵 | 50個(約2.5kg) |
|---|---|
| 白砂糖 | 600匁 ≒ 約2.25kg |
| 小麦粉 | 500匁 ≒ 約1.875kg |
| 合計 | 約6.6kg以上の生地 |
卵・砂糖・粉がほぼ同量という配合は、現代のカステラより卵と砂糖の比率が高く、しっとりと甘い仕上がりになったはずです。
現代の逸品
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原文(翻刻)
かすてら玉子五十つふし白沙糖六百目に小麦の粉五百目入ねり合銅の平なへに紙を敷入大なる鍋に入粉にしてかねのふたを仕り上下に火を置こげ候程にやき申候なりは色々に切申候但し下の火上の火よりつよく仕候
ほえまるより
案内人:ほえまる
卵50個!江戸時代のカステラはとにかくスケールが大きいワン。材料はたった3つ——卵・砂糖・小麦粉だけ。水飴もみりんも使わない、シンプルで潔い配合だワン。「下火を上火より強く」という一行に、オーブンのない時代の知恵が凝縮されているワン!