🍬 南蛮菓子

金平糖

金平糖(こんぺいとう)

『古今名物御前菓子秘伝抄』享保三年(1718年) 第5番

金平糖
🍬 南蛮菓子砂糖がけポルトガル伝来

氷砂糖を一度水で洗い流し、砂糖1升に水2升を加えて煮詰め、絹で濾す。さらに1升が5合になるまで煮詰める。別の銅鍋にけし(芥子の実)を入れて弱火にかけ、煮詰めた砂糖液を少しずつスプーンでかけながら茶筅でかき混ぜ続ける。何度も繰り返すとイチゴほどの大きさになる。色は5色で、青はあおばな、黄はくちなし、赤は紅、白はそのまま、黒は灰墨で染める。

材料氷砂糖(1升)、水(2升)、芥子の実(けし・適量)、着色料(あおばな、くちなし、紅、灰墨)
①砂糖液を作る氷砂糖を水で洗い、砂糖1升に水2升を加えて煮溶かし、絹で濾す。さらに1升が5合になるまで煮詰める。有平糖(1番)より濃く煮詰めるのがポイント。
②芥子の実を入れる別の平たい銅鍋に芥子の実を入れ、弱火にかける。この小さな粒が金平糖の「核」になる。
③砂糖をかけ続ける煮詰めた砂糖液を少しずつスプーンでかけながら、茶筅でかき混ぜ続ける。固まらないように注意しながら、何度も何度も繰り返す。
④成長させる気の遠くなるような作業を繰り返すと、次第にイチゴほどの大きさになる。現代の金平糖製造でも2週間以上かける工程。
⑤着色する5色に染める——青はあおばな(露草)、黄はくちなし、赤は紅、白はそのまま、黒は灰墨。すべて天然色素。
りん(氷林糖)

大唐の餅米の上白を一粒ずつ選り、厚さ約9mmに伸ばして餅にし、陰干しにしてから細かく四角に切る。金平糖(5番)と同じ要領で砂糖液を煮詰め、平らな銅鍋に入れて弱火にかけ、砂糖液を少しずつスプーンでかけながら何度もかき混ぜ続ける。

核の違い芥子の実の代わりに、餅米を薄く伸ばして陰干しし、細かく四角に切った「あられ」状のものを使う。
ポイント金平糖と同じ「砂糖がけ」の技法だが、核が餅米なので食感がサクサクになる。現代の「砂糖がけあられ」の先祖。
みとり(松の実風砂糖菓子)

小麦粉1升に白砂糖1合を加え、水でしっかりこねて柔らかくもみ、板の上で長さ約3cmの細長い棒状に切って鍋で炒る。次に平らな銅鍋に入れて弱火にかけ、金平糖と同じ要領で氷砂糖を煮詰めて何度もかけ続けると、松の実のような見た目になる。

核の違い小麦粉と砂糖をこねて棒状に切り、炒ったものを核にする。芥子の実でも餅米でもない、第三の素材。
仕上がり砂糖をかけ続けると松の実のような見た目になる。「みとり」=「見取り」で、見た目を整えるという意味とも。
面白い点金平糖・りん・みとり——同じ「砂糖がけ」の技法でも、核の素材を変えるだけで全く違う菓子になる。

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こんへいたう氷沙糖水にて一返洗捨さたう一升に水弐升入せんし絹にてこし其後一升を五合にせんしつめ又別の平銅なへにけじを入下火を少置右の沙糖少いゝさじにたりけまはし。かたまり申さぬ程に茶せんにてかきまはし。次第にいくたひもかきまはし候へは大くいちこの様になり候但し五色に仕候置はあを花にて染黄色は口なし赤はかたへに白ば其侭一黒きははいすみを以て染申候
りん大唐餅米の上白を一粒つゝゑり餅に仕候。あつさ三分程にのしかけほしに仕さいもく四角に切沙糖を右のこんへいたうのことくせんし右の丸き餅平き銅なへに入下火を少置右の沙糖をすこしつゝさしにてかけさしにてかきまはし次第にいゝたひもさしにてかけ申候
みとり小麦の粉一升に白沙糖壱合水にてかたくこねやはらかにもみ板の上にて長さ壱寸程にほそく切なへにていり又平き銅なへに入下に火を置こんへいたうのことく氷さたうせんしいゝたひもかけ候へは松のみとりのことくになる也
案内人の柴犬ほえまる

案内人:ほえまる

現代でも変わらず愛される金平糖!一粒一粒に何度も砂糖をかけてあの突起を作る——気の遠くなるような作業を江戸の職人は毎日やっていたワン。しかも核を芥子の実→餅米あられ→小麦粉の棒と変えるだけで、3種類の全く違う菓子が生まれる。「がけ」の技法の応用力にほえ〜!だワン!