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日本山海名産図会 巻四 (10)

飯鮹:高砂に伝わる腹に白米を宿す蛸

目録では「高砂望潮魚」と記される飯鮹(いいだこ)。泉州・紀伊・播州に多く、なかでも播州高砂が名産とされた。腹の中に白米飯のようなものが詰まっているという、その不思議な姿と独自の漁法を紹介する。

高砂望潮魚の図

播州高砂の飯鮹:腹に白米飯を宿す不思議

泉州・紀伊・播州に多く、なかでも播州高砂を名産とする。章魚(たこ)の別種で、大きさは三、四寸ほどに過ぎない。最大の特徴は「腹内白米飯の如き物充満す」──腹の中に白米飯のような白いものが詰まっていることである。江戸ではこの魚を見ることがなく、安房・上総などに時折あるといっても、その実態は知られていなかったという。

赤螺を使った独特の漁法
長さ七、八間の太い縄に、一尋ほどの細い縄を数多く並べて付け、その端ごとに赤螺(あかにし=巻貝)の殻を括りつけて水中に投げ入れる。潮の満ち引きで縄が動くとき、飯鮹は海底に潜もうとしてこの赤螺の中に隠れ込む。引き上げる際、貝が動けばさらに奥へ入り込んでしまうため、容赦なく引き上げる必要がある。
「腹内白米飯の如き物充満す」──江戸時代の人々も、この不思議な魚の腹の内容物に驚いたに違いない。
ほえまる
ほえまるの「ほえ〜!」コメント

腹の中に白米飯みたいなものが詰まってる蛸なんて不思議だワン!貝殻に隠れる習性を逆手に取った漁法も、江戸時代の人の観察力のすごさを感じるワン。