江海の各所に生息するが、信州諏訪の湖で採れるものが名産とされた八目鰻(やつめうなぎ)。厚い氷に一筋の道ができる「神のおわたり」を漁の始まりとする、諏訪湖ならではの冬の漁を紹介する。
上諏訪・下諏訪の間、約一里ほどは冬に湖面が結氷し、厚さは二三尺(約60〜90cm)に及ぶ。寒さが極まる時、氷の間にあやしい足跡のような一筋の道ができる。これを「神のおわたり」と呼び、往来の初め、すなわち漁の始まりとした。
この時、まず氷の上に小屋を建てる。火を焚いて穴を穿ち、その穴に柱を立てて漁師の休み所とする。また、綱や縄を入れるべき場所を見計らって処々に穴を開け、薪を積んで焚き、延縄(はえなわ)を入れて餌で釣る。獲れる数は非常に多い。氷がない時期は「うなぎ掻き」という道具を用いる。
凍った湖に道ができるのを「神のおわたり」って呼んで漁を始めるなんて、自然と信仰が結びついた素敵な風習だワン!氷に穴を開けて小屋を建てるなんて、江戸時代の漁師さんの寒さへの備えもすごいワン。