海鱒・川鱒の二種があるうち、川の物が味に優れるという鱒(ます)。なかでも越中神通川(じんづうがわ)の鱒は名品とされ、そのまま献上品として納められてきた。古名「腹赤(はらあか)」は、正月元日の宮中行事にまで名を残す。
海鱒・川鱒の二種があり、川の物が味に優れる。越中・越後・飛騨・奥州・常陸など諸国から産するが、なかでも越中神通川の物が名品とされ、鑑(貢ぎ物)としてそのまま納められてきた。形は鮭に似て住む場所も同じ。鱗は細かく赤い筋が体を貫き、肉には赤い刺が多い。
漁法は「乗川網(のりかわあみ)」という、横七〜八尺・長さ五尋の袋網を用いる。上には浮き(アバ)、下には石の重り(イワ)を付け、その間をわずか四寸ほど開けて網の口を開く。長い竹を網の両端に付け、二人ずつ乗った「スクリ船」という小舟二艘で網を挟み、魚が入るのを待って手早く引き上げ、両方から絞り寄せる。一度に一尾、あるいは二三尾を得る。魚は流れに向かって泳ぐため、舟子は舟を逆に押して支える。
鱒に「腹赤」という古名があって、正月に天皇へ献上する行事にまでなってたなんてビックリだワン!二艘の舟で網を挟んで引き上げる漁法も、息の合ったチームプレーが必要そうだワン。